僕らの世界〜OUR WORLD〜
第一章 平和な暮らし


どこか遠くへ羽ばたきたい―僕はずっと生まれた時から思っていた。

家の中にいたって、いつもと同じ生活をしたってつまらない―それじゃ鳥かごの中にいるのと同じ。

だから僕は考えていた。旅立とう、この世界を見てみよう。

でも、それはできなかった。そのかわり、僕には一通の手紙が届いた。

それが僕の生活を変えるものだとわかったのは、その手紙が届いてから一ヵ月後の事だった―。



世界の真ん中に位置する国、イーグルランド。

その国に小さな町があった。イーグルランドオネット。そこは人々が幸せに暮らしている町だった。

その町に住む少年ネスもその一人だった。ネスの家は町の外れにあり静かに暮らしていた。

「ママ?お兄ちゃんはどこ?」

眠そうに目を擦っている女の子―ネスの妹トレーシーだ。

「ネスちゃんならさっき出てったわよ。なんか急いでたわねぇ・・・。」

ネスの母は首を傾げて考え込む。トレーシーは母を見上げクシャミをする。

「風邪ひいたみたい・・・。ママ、風邪薬ある?」

「あるわよ。ほら、これ飲んだらすぐにまた寝なさい。」

「はーい・・・。」

トレーシーは薬を受け取り部屋に戻っていった。



ネスは家の奥に位置する小高い丘にいた。そこには隕石の落ちた跡が今もくっきりと残っている。

「あれから3年・・・か・・・。」

ネスは気に背を預けて座った。彼は知っている、この隕石を・・・。

3年前の夜中に隕石が落ちてきてそれがネスの冒険の始まりだったのだ。

未来からやって来たブンブーンに自分の宿命を始めて聞き、ネスはオネットを後にした。

地球を救う旅はとても苦しかったがいつも彼の側には仲間がいた。

仲間のおかげで、いつも彼は諦める事はなかった。

しかし、地球を我が物にしようとしていた邪悪の化身『ギーグ』は想像以上に強かった。

彼は、彼が今まで出会った町の人々に勇気というかけがえのない力をもらいギーグを倒したのだ。

彼はあの後仲間と別れ自分の失っていた生活を取り戻しているのである。

「ねえ、僕はこれから本当に普通の男の子としてやっていく事が出来るのかな?

なんか・・・僕、夢が出来たんだ。

僕はイーグルランドとふぉぎーランド、そしてチョンモの3つの国しか知らない。

僕の知らない世界がまだこの地球には数えられないほどある。僕はその世界を見てみたいんだ。ブンブーン、変かな?」

ネスは何もないぽっかりと開いた穴に話し続けていた。ここで初めてブンブーンと出会った。

それが誰かにとっては小さな事でもネスにとっては大きなことだった。

「僕、明日旅に出ようと思う。

トレーシーだってもう一人になったって泣かないだろうし・・・ママも賛成してくれると思う。

ブンブーンは賛成してくれる?」

ネスはずっと木に背を預けたまま穴を見つめた。そしてネスはいつしか眠っていた・・・・・・。




〜管理人の感想〜
人間一度は、旅に出たくなるものですね。
僕の場合は東京から仙台まで、
1人で新幹線に乗った程度だけど。(苦笑)
とはいえ、旅に出るにもまずお金だろうなあ。
それはもしかして、お母さんが出してくれるんでしょうか?