幸せのカギを探そう
番外編〜恐怖のお化け屋敷〜


それはアドレーヌが記憶をなくしてから数日後の事でした。

カービィがアドレーヌにアイスクリームランドを紹介していた時だった。

「それでね〜っここのね・・」

「カービィさん、これ何でしょうか・・・」

カービィの説明に割り込んで、アドレーヌが丁度、下の地面を指さした。

「え?あ、本当。」

そこには薄い長方形の紙が二枚・・・・

そこに書いてある文字をカービィがアドレーヌに聞こえるように読み上げる。

「『プププお化け屋敷。夢の泉遊園地にて開演』・・・今日からみたいだね」

「わあ、おもしろそう!!!」

アドレーヌがぴょんぴょん飛び跳ねながらカービィを説得する。

「行こう!行きましょうよカービィさん!!」

「ダメ」

カービィが断言する。

「なぜですかぁ?」

アドレーヌの明るい表情が急に暗い表情へと変わった。

「ここに落ちてたんだよっ!!誰の物かどうかもわからないのにさ」

「いいじゃないですか!落とす方が悪いんですよ」

だめだろう、アドレーヌ(汗)

「いいや、正義のヒーローである僕の名にかけてダメ」

「・・・・・・・そうですか」

アドレーヌがうつむく。

ちょっと可愛そうかな?と思うカービィとは裏腹に、心の奥で

「ホッ」と言いながら胸をなでおろすもう一人のカービィの影もあった。

その気持ちを読みとったのか。アドレーヌが言葉責め攻撃をしかけてきた。

「カービィさん。まさか怖いとか・・・思ってませんか?」

ギク

「こんなに弱虫じゃあ、正義のヒーローともあろうものが、はずかしいと思いますが?」

それでもカービィは頑固にもおしだまる。

アドレーヌはとうとう最終手段を使ってみせた。

「お化け屋敷に行ったら、思い出すと思ったんだけどな〜。記憶」

「行こうか、アドちゃん」

かなりすんなりとのせられるカービィ。

しかし、後になって気づいた。

一体なぜお化け屋敷へ行ったらアドちゃんの記憶を取り戻せるのか?

というか実はアドちゃん記憶取り戻してるんじゃ・・・

そんなカービィの心配も、プププお化け屋敷に入ったとたん、すっかり消えてしまった。


やはり今日開演だったから、かなりの人が集まっていた。

プププお化け屋敷は、今にも壊れそうな屋敷をモチーフにしていて、

しかも中が迷路状になっているので、なかなか抜け出せない。

屋敷からは、とんでもない数の叫び声が聞こえてくるのである。

そして、一時間ほど並んだ後、とうとう二人は、お化け屋敷の中へ入っていった。

途中「やめよう」と何度も呼びかけたが、アドレーヌは聞く耳も持たなかった。


やはり中は迷路状で、即座に二人は迷ってしまった。

上から生首がふってきたり、一つ目の妖怪が現れたり・・・

中でも、美味しそうなにおいをただよわせている部屋にたどりつき、

スープの入ったお鍋の中からさ○子さんらしき人物が

飛び出してきた時には、カービィはもう心臓が止まったかと思った。

(その時カービィは死にものぐるいでお鍋に顔をつっこんだからね・・)

アドレーヌはさ○子さんが飛び出してきた時も平然としていて

・・・・笑っていた。

カービィはこの時、どれだけアドレーヌを憎んだだろう。

記憶が戻るかもしれないと言ってカービィを無理矢理このお化け屋敷へ連れ込み、

今にも気絶して倒れそうなカービィの気持ちも知らずにアドレーヌは・・

・・・笑っている。


ようやく出られた。やっと出られた。

アドレーヌはすごく嬉しそうで「また行こうね」と言っているのだが、

カービィははしゃいでいる状況ではなかった。

この後、カービィは丸一日、ご飯を・・・・特にスープをろくに食べていなかったとか。



〜管理人の感想〜
お化け屋敷よりアドちゃんのほうが怖い・・・。
人が怖がるのを見ていて笑っているなんて。
カービィがお気の毒・・・。
スープが飲めなかったとは、よほどショックだったんだなぁ。