太陽が営業活動を終えて間もなく沈もうとしている。


現在時刻　午後５時

春先とは言え日が沈むのはまだ結構早かったりする。

ここは今日も平和なポップスター、プププランドはベジタブルバレー。

そこの小さな森で今、小さな争いが行われていた。

「もぉ！ワドルディが奥に行こうって言うからなの！」

「そーゆーポピーこそ！ずーっと変なキノコ見てたじゃないっスか！」

ワドルディとポピーブロスJr.…通称ポピー…は

何故か全力疾走しながら何故か言い争いをしていた。



原因は８時間ほど前まで遡る。



「じゃあ言って来るのぉ〜。」

「昼までには帰ってくるっス。」

そう言い残し彼らは森へ出掛けた。

野草採取のためである。

しかし、採取に一生懸命になった彼らは時間が経つのを忘れてしまい、

昼までには帰ると言いながら気付いたら夕方になってしまっていたのである。



そのため、『どっちのせいか？』で、もめていたのである。（まぁ、実際どっちも悪いのだが…）

責任転嫁の口喧嘩が勃発して早１時間。２人共よく口が疲れないなぁ、と感心してしまう。

「あっ！町が見えて来たの！」

ポピーが叫んだ。

「どーするんスか！？大王様もブロスさんも心配してるか怒ってるかどっちかっスよ！？」

大王様とは説明不要であろう。デデデ大王のことである。

ブロスはポピーブロスSr.…ポピーの兄である。

「とにかく！急ぐ他ないの！」

ポピーが叫んだ。

その時、ワドルディが立ち止まった。

「ワドルディ！何やってるの！？早く…！」

「ポピー…。どうして、どの家も灯り付けてないんスか？」

「えっ…？」

たしかに、どの家も灯りを付けていなかった。

２人は何も言わずに駆け出した。

町は静寂に包まれていた。

無言の２人は城へただひたすら向かった。

ダンッッ！！！

城の門を開けて彼らはほぼ同時に叫んだ。

「大王様！」

「お兄ちゃん！」

…返事は、ない。

「レオ！サーキブル！ワドルドゥ！」

城内でワドルディは思いつく名を思いついた順に呼び続けた。

一方ポピーは町の中で叫んでいた。

「カービィちゃーん！カワサキ！みんなぁ！どこにいったのぉ！？悪ふざけなの！？だったら…！」

『し〜ん』と言う音さえ大きいと思えた。



つまり、この町から人と言う人が消えてしまったのである。

２人はほぼ同時に思った。

＝みんな…どこに行っちゃったの？＝

＝みんな…どこに消えたんスか？＝



ドコニイッタノ…？

オイテカナイデヨ…。

ネェ…ドコニイルノ…？

ネェ…？



日が沈み、夜が来て彼らは益々不安になった。



一体彼らがいない間に何があったのか…？




＜続く＞