日常
皆さん始めまして。ボクの名前はワドルディ、ハルバード号の乗組員です。
〜ワドルディの場合〜
今回は少しだけ、ボクと他の乗組員さんの日常をお見せしたいと思います。
AM6:30
ボクは他の乗組員さんより少し早く起きます。
それから厨房へ行って朝食の準備をします。
カリカリベーコン、目玉焼き、サラダにパンを数種類。
冷たいミルクといっしょに食卓に並べます。
AM7:00〜食堂にて〜
一番最初に食堂に来るのはアックスナイトさんです。
とても疲れた顔をしているので不思議に思って聞いてみると
『ものすごく疲れた顔』と『不機嫌な顔』が混じった顔をしました。
結局質問には答えてくれませんでした。
その後、ジャベリンさんトライデントさんに他の乗組員さんが席に着き、
思い思いに食べ始めます。そのころになってようやくメイスさんが来ます。
今日も寝坊をしたようです。
あわてて駆け込んできて、食べ終わって出て行こうとしたアックスさんにぶつかりそうに
なり、視線があうとお互いにおもいっきりそっぽを向きました。
何かあったのでしょうか?
ちなみにこれまで出てきていない我らがハルバードの艦長メタナイト様は
重度の低血圧のため、朝食は食べられません。
濃いコーヒーをメタナイト様の部屋へ運ぶのはボクの楽しみの一つです。
ノックをすると「入れ」と、普段より低い声で言われます。
少し寝ぼけた眼でコーヒーを受け取られると、「ありがとう」といってくれます。
メタナイト様は「すまない」とは言われても「ありがとう」とはめったに言われません。
だからとてもうれしいです。
AM8:30〜訓練場にて〜
皆さんはハルバード号の整備や、訓練に行かれます。
その間にボクやボクと同じ見習い隊員は訓練には参加できません。
でも、掃除や片付けが終わると見学が許されます。
今日はメタナイト様も稽古に出られます、みんな目を皿のようにして食い入ります。
メタナイツの四人VSメタナイト様
どきどきどきどき、自分が戦うわけではないのに、心臓が破裂しそうです。
ふわりと、風が吹いたそのときでした。
メタナイト様の体から青白い光がゆらりと湧き上がったと思ったら、
ごうっっっと音がしてメタナイト様を中心に風に似た何かが吹き荒れました。
地面の砂が舞い上がり、砂嵐が起こりました。
ボクは情けないことにへたりこんでしまいました。
砂嵐がやむとそこには倒れこんだメタナイツの四人と、
剣を持ったままたたずんだメタナイト様の姿がありました。
AM10:30〜医務室にて〜
メタナイツの皆さんが目を覚ましました。
お昼寝をしていたわけではありません。午前の稽古の時から気絶してたのです。
メタナイト様はあの後「やりすぎたか・・・」と少しあせっていました。
アックスさんは一歩も動けなかったことに呆然としていました。
ジャベリンさんは無言で沈んでいます。
トライデントさんはあと一歩だったのに〜と悔しがっています。
あの状況で動けたのは凄いけど、今はあまり大きな声で言わないでほしいです。
メイスさんは一度起きたけど、負けちゃったダスな〜といってっそのまま寝ました。
はあ・・・。
それにしても困りました、いつもなら訓練の後メタナイツの誰かについてきてもらって
昼、夜、それから明日の朝ご飯の買い物に行くのです。誰がついてきてもそれなりに
苦労があるのですが、一人ではとても持ちきれない量です。
思案しながら廊下に出るとメタナイト様にあいました、厳しくてもやっぱり部下思いです
「ワドルディ、あいつらの様子はどうだった?」
「怪我はほとんどしてないんですが・・・」
「そうか、ならいい。」
「はあ・・・」
「それで?」
「へ?」
「お前はどうしたんだ?」
「・・・実は・・・」
AM11:00〜町で〜
すこし後悔しています。
あの後、事情を知ったメタナイト様は、なんと自ら買い物に同行してくれたのです。
そのときはうれしくてうれしくてたまらなかったのですが、町に出ると・・・
目立ちます。これでもかってくらい目立ちます。
それもそのはず、海賊ブルータスの船長が買い物してる姿など、めったに見れるものでは
ありませんから。(そうでなくてもメタナイト様は女性の目を引きますし)
・・・はあ。
PM12:00〜メタナイトの部屋〜
お昼ごはんの時間です。お昼の台所係は他の見習いさんです。
ボクはメタナイト様に昼食を運びにいきます。
入室を許可され入ってみると、メタナイト様は本棚から出した本を机に山積みにして
いました。ボクが呆然としているとメタナイト様はボクが無意識のうちに差し出していたらしい昼食を受け取り、丸テーブルの上におきました。
「ご苦労だったな」
その声にわれに返ったボクはこの本をどうするのかとつっかえながら聞きました。
「読む」メタナイト様はあっさりと答えました。
「このところ立て込んでいたからな、久しぶりにゆっくり本を読もうと思ってな」
メタナイト様の言う仕事とは主に金持ちの悪人だけを狙った強奪のことです。
ボクは何もいえませんでした。
PM3:00〜自室から庭〜
仕事の無いこの時間帯は自分の好きなように行動できます。
買い物に行く人、図書館に行く人、寝る人、訓練をする人など様々です。
ボクは自分の庭に行きます、いろいろな植物に水をやり、手入れをすると、
あっという間に時間が過ぎます。
PM6:00〜シャワールーム〜
お風呂に入る時間です。偉い人から順番に入ります。
(メタナイト様は別です、自室のシャワーを使います)
司令官さんはお風呂が長いので困ります。
僕たち見習いは一番最後です。
PM7:30〜食堂〜
夕食はみんなで一斉にいただきます。メタナイト様もです。
でも今日はいません、先ほどメイスさんが呼びに言ったのですが、「先に食べててくれ」だそうです。こういうことはよくあるので皆さん気にしません。
今日のシチューはとってもおいしかったです。
PM9:00〜食堂からメタナイトの部屋へ
いくらなんでもおかしいです。
いくら待ってもメタナイト様は現れません。
せっかくのシチューがさめてしまいました。
さっきから一緒にメタナイト様を待っていたメタナイツの皆さんも心配そうです。
あまりに遅いので、みんなで様子を見に行くことにしました。
「メタナイト様!メタナイト様!」
アックスさんがドアをたたきながら呼びます。
返事はありません。
「メタナイト様!あけるダスよ!」
メイスさんがドアあけます。
・・・・・・・・・・・・
あれ?
メタナイト様、昼に見たときと体勢がかわってません。
机に座り、山と積まれた本を読みあさっている。
「・・・メタナイト様?」
恐る恐るといった感じでトライデントさんが話しかける。
「?ああなんだお前たちか、どうしたんだ?」
・・・おお〜い
「メタナイト様、今何時かわかってますか?」
アックスさんがみんなを代表して聞いてみる。
「???」
頭に疑問符をつけまくったメタナイト様は時計を見た。
「・・・ああ、なるほど」
メタナイト様は本を閉じて立ち上がると「すまなかったな」といった。そして
「夕食をとるとしよう、ワドルディ、頼めるか?」
PM10:00〜自室にて〜
今日はとても疲れた気がします。
日常とは呼びがたいハプニングがたくさんありました。
もう眠いにで終わります、明日が平和でありますように
end