みんなの合宿所
スマブラメンバーはいつものように自由な時間を過ごしていた。
〜招待主の正体〜
フォックスとネスはカードゲームをしている。
「じゃ、俺は号令カード『刀狩』を発動。これでお前の武器カードは全部俺のものだな。」
「…ってことは総攻撃で終わりかあ…せっかく手札に『天下統一』があったのにな…」
何とも妙なカードゲームで他にも『応仁の乱』とか『百姓一揆』とか『年貢徴収』とか『黒船』とか色々ある。
ちなみにフォックスはこれで6連勝である。
「何そのカードゲーム…」
通りがかったルイージが不思議そうに聞く。(当然と言えば当然)
だがネスが答える間もなく、合宿所内に放送が。
『あー、合宿所の諸君。私から良いプレゼントがあるので、ロビーに集合してくれたまえ。』
プレゼントこれで2回目だが、悪い前例があるのでメンバーの足取りは重かった。
だが、一同はロビーに入った瞬間少しだけ驚いた。
今まで見たことがない赤い瞳で白い長髪で左腕がない青年がロビーの中心に立っているからだ。
「お前…誰だ?」
「気になるのも無理はないね。多分マリオ君以外のメンバーも私が誰か気になっているだろう?」
メンバーは聞き覚えのある声を聞いてはっとした。
「もうわかったみたいだね。君達の予想通り、私はマスターだよ。」
驚いていたメンバーだったが(予想外の顔だったから)←(美形)、ちょっと経つとリンクが前に出て言った。
「何で今まで放送ばっかりだった貴方が急に出てきたんですか?」
「いやあ、ただ君達と仲良くなりたいと思ってね。」
別に理由がありそうな顔と声をしているが、追求しても教えてくれそうにないので一同が聞かなかった。
「それより、プレゼントって何なの?」
カービィが『一応』期待に満ちた目でマスターに聞いた。
「前回は大失敗したからね。今回はちゃんとしたスポーツの場を用意したよ。」
マスターは手袋の絵がかけてある辺りを指差した。
そこには『スマッシュブラザーズ会場』と書いてあるプレートがついている扉ができている。
「「「「「「「「「「「「すまっしゅぶらざーずぅ?」」」」」」」」」」」」
全員の声が揃った。
「そう。ルールは簡単だよ。技やアイテムを使って相手をステージの場外へ追い出す、と言うスポーツだよ。」
「スポーツか?それ…」
「ファルコン君。これはスポーツだよ。私が作ったやつだけどね。」
マスターは自身たっぷりに言う。
「その時点でスポーツとしてきわどくない?」
サムスも突っ込む。
「細かいことは気にしないでいいんだよ。入って入って。私も一緒に行って色々説明するから。」
そう言うとマスターは扉を開けてメンバーを扉の中へ押し込んだ。
扉の向こうにはまたたくさんの扉があった。
「また扉ですか?」
「あわてないあわてない。」
マスターは正面の扉を開ける。
その扉の向こうにはマリオとルイージには懐かしい景色が広がっていた。
「ここってもしかして…」
「キノコ王国か?」
マリオとルイージは先に行って色々眺めている。
「確かにここはキノコ王国だけど、これは私が作ったコピーだよ。…まあ、それはともかく、詳しいルールを説明しようか。」
どこからかホワイトボードを引っ張ってきたマスターは説明を始める。
「相手をぶっとばしてステージの場外に飛ばす。それがルールだ。それ以外にルールは特にないよ。」
「「「「「「「「「「「「終わりかい!」」」」」」」」」」」
「だってそんだけだもん。あとはアイテムとかそれぐらいだよ。」
マスターは何故か呆れ顔で大きく息を吐いた。
「教えろよ!それ!」
「教えるの面倒だもん。自分で考えれば?」
マスターは頭の後ろで腕を組むとそっぽを向いてしまった。
するとマスターの背中にファルコ怒りの鉄拳がヒットした。
「な、何をする!?私を誰だと…!」
「勝手に呼んどいてそれはないだろ!呼んだからには最後まで説明しろよ!」
ファルコンはマスターの首を掴んで前後に振る。
「い、痛い痛い!!苦しい苦しい!!痛苦しい!!わ、わかった!わかったから止めて!」
ファルコンが手を話すとマスターは近くの「?」ブロックに頭をぶつけた。
「あ〜苦しかった…」
以外にも平気なようだ。(出血はひどいが…)
「何か流血してない?」
サムスが言うとマスターは自分の頭を探る。
「んん?あ、ホントだ。」
マスターが傷口に向かって腕を一振りする。
すると傷口は治って血もどこかへ消えた。
「さーて、じゃ説明するとするか…」
立ち上がって伸びをするマスター。
「と、その前に。」
今度はファルコンに向かって腕を一振り。
「ぎゃあ!!!!」
ファルコンは重さ8tの重り(重り自体に重さが書いてある)の下敷きになった。
マスター以外の全員の目がファルコンに行く。
「これで心おきなく説明できる。さ、みんなついてきて。」
一同はマスターの後を追いかける。
ファルコンを残して…
一同が行きついた先は何か広い競技場のような所だった。
「で?何から説明してくれるの?」
カービィが聞く。
「うん…でもね、君達、学習能力なさそうだから…体で覚えるしかなさそうだから…」
「それ、どう言う意味?」
サムスがマスターにチャージショット発射するやつ(名称わからん)を突きつける。
「だからね、私が説明しても理解できないと思うんだよ。結局のところ二度手間と言う可能性が高そうだから。」
「本当に撃つわよ?」
サムスがさらに強くチャージショット発射するやつをマスターに押しつける。
「わかったよう…じゃ、ますこれの説明から行こうか…」
マスターが取り出したのはピンク色の光のような刃の剣だった。
「これはビームソードと言って、空気中に存在する特定の粒子をγ―フィールドと呼ばれる特殊な磁場で
一定の場所に拡散しないように固定したものだよ。
そもそも特定の粒子と言うのは新たに発見された重粒子を元としたさらに重い粒子なんだけどね。
何故そんなに重い粒子が拡散せずに1箇所に固定できるのかと言うと―――――」
〜一時間後〜
「―――といった熱心な科学者たちの血も滲むそうな努力と精神力、
そして愛によって生まれたのがこのビームソードなんだけどその威力のほどは…ってアレ?」
このメンバーにこのような難しくて長い話を最後まで聞ける者はおらず、全員が寝ている。
マスターはどこからか巨大なシンバルを取り出すと力一杯鳴らした。
グワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
グワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
グワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
グワ〜〜〜〜〜〜〜〜ン
グワ〜〜〜〜〜〜ン
グワ〜〜〜〜ン
グワ〜〜〜ン
グワ〜〜ン
グワ〜ン……
「うわああ!?」
全員が飛び起きる。
「やっぱり君達は私の話を最後まで聞かないじゃないか。」
マスターは腰に手を当てて呆れ顔。
「い、今の話は難し過ぎるんですよ!」
リンクが腕を振り上げて抗議する。
「じゃ、今度はこれの説明行こうか。このレイガンと言うのは、正式には短波長集束型高速レーザー銃って言うんだ。
この武器の開発背景にはエドワーズ博士と言う人物が密接に関わってくるんだ。
エドワーズは数年前に他界したんだけど、彼の研究成果は素晴らしいもので、これもその一つだったんだ。
これはビームソードと違って光に特殊な粒子を加えて小型ながら高性能の加速器で―――――――
〜2時間後〜
「と、言うわけで、エドワーズ博士は自分の生涯全てを光工学の研究に捧げ、そして―――って…」
またもや全員寝ている。
グワ〜〜〜〜〜〜〜ン(省略)
マスターはどこからかとりだした銅鑼を力一杯叩いて一同を起こした。
「もういいよ!せっかく人が一生懸命説明してあげてるのに…!あんまりだぁ!!」
マスターは泣きながらどこかへ走っていってしまった。
この後、結局スマブラメンバーは独学でアイテムの使い方を学び、めいっぱいスマブラで遊んだとのこと。