〜シリアスストーリー〜
   第一章 戦士の影

 第一話 デデデ城の異変

 ポップスター・プププランドにある、オレンジオーシャン。

その海はいつ見てもあざやかな夕焼け色だった。

「変わらぬな・・・。」

私はこの基地のバルコニーからの眺めを満喫していた。

「お〜い!メタナイトぉ〜!」

下から聞き覚えのある声が私を呼んでいた。

「・・・カービィか・・・。」

私はバルコニーから直接飛び降りた。

「いちいち玄関まで行くのも面倒だからな・・・。」


メタナイトがボクの目の前に降りてきた。

「あのねぇ、気になることがあったから聞きにきたの。」

ボクは話したいことがあったから、すぐに話しかけた。

「気になること・・・?」

メタナイトも聞き返してきた。

「そう。何かね、デデデ城の様子が変だったんだ・・・。」

「デデデ陛下の城が?」

「また・・・何かたくらんでるのかなぁ・・・。」

するとメタナイトはしばらく考えてからこう言ったんだ。

「・・・よし、行こう・・・!」



私はカービィを背に乗せ、基地を飛び立っていた。

私が留守にしている間は、部下のメタ・ナイツ達に判断を任せるようにしている。

だから大丈夫だろう。

・・・多分。

「ねぇ、つまんないよぉ。」

「は?」

カービィが突然つぶやいた言葉に、考え事をしていた私は唖然としてしまった。

前々から思っていたが・・・何という緊張感の無さだ。

・・・もっとも、そこが私の好きなところなのだが。

「何かやってよぉ。」

「・・・・・・しっかりつかまっていろ。」

「うん!」


ヒュオ・・・!


私は海の上を低空飛行で飛びながら右翼を傾けた。


・・・ザザザザザァ・・・・・・!!


文字通り、オレンジ色の水は私の翼で二つに分けられ、左右に水の壁が出来ていた。

「わぁ・・・!キレイだね・・・!」

「・・・そうだな。」

・・・まぁ・・・たまには良いかもしれない。

このあとに戦いが待ちうけているなら・・・リラックスにもなるだろう。

「あっ!見て、デデデ大王のお城だよ!」

私はカービィが落ちないよう、一度ターンをして城門の前に着地した。


「ねぇ・・・何か・・・いつものデデデ城じゃないよね・・・。」

「明らかにな。」

そこは何だか・・・コウモリみたいなのがいっぱいいて・・・真っ黒い霧が周りを包んでた。

・・・何だかおばけ屋敷みたいに。

「入ってみるか。」

「えぇっ・・・!?ボク怖いよぉ・・・。」

ホントだった。

ふつーのおばけ屋敷みたいなんじゃなくって・・・何かに引きずり込まれそうな雰囲気だったから・・・。

「・・・私を頼りにしていたから、私に会いに来たのではなかったのか・・・?」

「!」

思わずはっとした。

そして行くって決めた・・・!

大丈夫、メタナイトと一緒ならどんな敵も倒せる・・・!きっと・・・!


カービィはようやく決意を固めたらしい。

私は同時に門を開けた。

「・・・中庭か・・・。」

「何か出そうだね・・・。」

カービィがその言葉を何気なく口にしたとき。

「・・・!カービィ下がれッ!」

「えっ!?」

私達の頭上から流星弾が降ってきた・・・!

「ちッ・・・!」

キィン!バキィン!

ガキィン!ギィィン!

反射的に剣を抜いた私は、カービィの真上に落ちてきた流星弾をすべてはじいたが・・・。

「メタナイト危ないっ!!!」

「・・・ッ!!?」

私が振り向くとそこにはひときわ大きな流星弾が目の前に迫っていた・・・!

ズドオォン・・・!!!!!


「メタナイトぉ!!!!」

ボクは急いでメタナイトのいる方へ向かおうとした。

ズドォン・・・!

「・・・!!これって・・・!?」

ボクの目の前には太陽の形をした大きな石が落ちてきた。


------- 侵入者は・・・排除する・・・!--------


「え・・・!?」

次の瞬間、ボクもメタナイトも、知らない空間に投げ出されていた・・・。

・・・・・メタナイトは意識を失ったまま。

つづく