ワドルディの日記
―失業率編―


「ふーっ。ねぇ、ちょっと休憩しよー。」

疲れきった声が、きこえました。

もちろん、アドさんにも聞こえていたはずです。

「カーくん、もうちょっとでデデデ城よ、頑張って!」

「…、あ、アドさん。」

「何?」

「アイテム書けばいいじゃないッスか。」

それを聞いて、カービィさんは喜びました。

「ナイスワドルディ!もう僕お腹ぺこぺこー!!」

アドさんはさらさらと…。

「…、ちょっと?なんで無敵キャンディーなのさ!僕、マキシムトマトが良かった…。」

「だって、カーくんは別にダメージ受けてないから、疲れてても体力あるでしょ?」

「うん…。」

僕はわらっていました。

…、月日がたつのは早いものです。

皆で会話しているうちに、デデデ城に着きました。

「…、なんかボボがいっぱいいる…」

「お城のひんやりした空気とボボの温度でちょうどいい暖かさね。」

僕達は何個かクリスタルを見つけていき、とうとう最上階まで来ました。

リボンちゃんがくるくるまわっています。

「…どうしたの?」

「ここのちょうど上に、クリスタルの反応があるんですよ…。」

「…!!カーくん、後ろ!!」

「わぁあ!!」

カービィさんの後ろから、敵キャラがおそってきました。

僕はここらへんのキャラには詳しくないので、対応できませんでした。

「ワドルディーっ!!」

僕は屋上へ飛ばされてしまいました。

「いてて…。ん?」

青い体に大きな目と口。

良い素材でできている洋服。後ろにはうさぎのマークが。

そして何よりハンマーがとても大きい。僕と同じかそれ以上の大きさだ。

「ワドルディは休暇を与えていたはずだがなぁ…。」

そのペンギンのようなアヒルのような姿の人が話しかけてきた。

「あの…、僕、よそから来たんです…。」

「…そうか。」

「ここにはワドルディがいるんですか?」

「あぁ、そりゃぁもうたくさん。」

「へー。こんなお城に勤めてていいなぁ…。」

「仕事ないのか?」

「いえ、前は戦艦の船員をしてました。」

「ほー。いや、なかなかだ。」

「…何故ですか?」

「ワドルディは、あまり職業選びがうまくなくてね…。」

「あぁ、わかります…。」

「それでデデデ城に勤めさせてやってるんだ。」

「そうですか…。有り難う御座いました。」

「よそもので敬語を使われたのは初めてだ。…、というか、よそものといったらほとんど侵略者だからな。」

よくしゃべる人だ。

でも、けっこう真剣な目をしてるな…。

目はすんでいて綺麗な人だ。

そのとき僕は見つけた。

あれは――!!

クリスタル!!

「ん?なんだこれ?」

「あぁっ、だめっ!」

しかしすでにとりつかれてしまっていた…。

「ワドルディおまたせっ!」

「クリスタル反応が…?!動いてる!」

「あぁーっ、デデデ大王ー!」

「え?この人が?」

「うん!食べ物を盗ったり、秘法を7つにわけて子分にわたしたり、

虹を消したり、星を盗ったり、えっとそれから…。とにかく悪い人なの!」

「でもそうはみえませんよ?」

カービィさんは今の言葉で一瞬驚いたが、すぐに顔が変わった。

「たしかに負けたらおとなしく返したり、悪夢をみせないためにやったり、毎回でてたりすけどさ。」

カービィさんの長いセリフにデデデ大王は怒った。

「さんざんすき放題に言って、もうゆるさーん!!」



〜仲間に続く〜