かけがえのないともだち
番外編 「悩み」


これは、クーがカービィの家を訪ねた後の話―――――



リックは悩んでいた

「カービィになんて言えばいいんだよ・・」

「あいつにあわす顔がないぜ・・・」

リックはカービィと仲直りしたかった

しかし、カービィが許してくれるか心配で

なかなか言えなかったのである

そのせいで夜もろくに眠れなかった



ところが、その後

リックの気持ちを変えるできごとがあった



クーがたずねてきたのだ

「あれ?いるじゃないか」

リックはこの言葉の意味がわからなかった

「カービィがお前のことを探してるって聞いたぞ

何かあったのか?」

それを伝えたあとクーは用事があるといってすぐに帰った



リックには理解できなかった

「俺はずっとこの家にいたんだぞ」

たしかにそれはまちがっていない

ところが、リックは気付いていなかった

カービィは毎日、リックの家を訪ねたのだ

だが、リックは夜遅くまで起きていたので

昼すぎまで熟睡していたのである

そのせいでカービィは

「リックがいない」と、かんちがいをしていたのだった



しかし、そんなことはリックにとってどうでもよかった

「そうだ、カービィだって早く仲直りしたいんだ」

「俺が直接本人に言えばいいことじゃねえか」

「あいつはともだちなんだから

きっと許してくれる」

「それに、たとえ許してくれなくても

言うべきことは言わなきゃならないんだ」



リックは決心した

この日はもう真っ暗だったが

かまわずにカービィの家へ向かった

一刻も早く仲直りがしたかったのだ



とうとう家の前までやってきた

カービィがまだ起きているのはすぐにわかった

明かりがついているし

なにやら声もきこえる

「独り言か?」



ここでリックは考えた

(今ドアを開けたら、カービィはどんな顔をするかな)

(なんて言うだろうな)

(あやまって、許してくれるかな・・・)

(いや、なにがなんでも言うって決めたじゃないか)

そして、ついに



コンコン



ドアをノックした

もう後へは引けない

全部言ってしまおう



「どちらさまですか〜」

カービィの声だ



ガチャリ





〜管理人の感想〜
リックサイドで描いたんですね。
リックの心の揺れ動きがいいです。
お互いに仲直りはしたいもんですね。