レジェンド ツリー
第3章 木の世界の住人


青いスカーフの少年が話そうとしたとき、黄スカーフの少年がいった

「あっ、兄ちゃん!カエデが帰ってきた!」

ケヤキが息を切らしてみんなのもとへ走ってきた。

「ごくろーさんカエデ」

青スカーフの少年はケヤキの肩をぽん、と叩いていった。

カービィはケヤキが何故「カエデ」と呼ばれているのか気になっているので

「ちょっとまって、この子の名前はケヤキじゃないの?」

と、思わず口にした。

すると青スカーフの少年がいう。

「あぁ、ケヤキっていうのは俺たちの上の名前、ようするにみょうじのようなものだよ」

「俺たちってことは・・・まさか兄妹!?」

と、カービィは多少驚いた。

その言葉を聞いて青スカーフの少年は答える。

「そ!俺たち全員兄妹なんだ、まず俺は長男ヒノキ!

んでこっちの黄色いスカーフは次男ユズ、オレンジのが三男ヒイラギ、

緑のほうは四男ツバキ、それで末っ子のカエデ」

カービィは青、黄色、オレンジ、緑、そしてカエデの順に目を向けた。

「へ〜・・・兄妹だったんだ・・・おっと、そうだ僕も自己紹介しなきゃね、僕は星のカービィ!よろしくね!」

カービィは笑顔を振りまいていった。

するとヒノキが

「うん・・・君のことはよく知ってる、なんでもあのナイトメアとかいう強敵を倒したんだろ?

さっきも言ったんだけどそんな強い君に手伝ってもらいたいことがあるんだ」

と、顔色を変えていった。





━数分後

「なるほど・・・あいつらが言ってた世界樹の力を先に見つけ出して封印するための手伝いね」

カービィは小さな腕で腕組をしていった。

「手伝ってくれるの?」

カエデが不安そうにいう。

するとカービィが

「もっちろん!封印するのはどうすればいいのか分からないけど、さっきの奴らがジャマしてくるならボコボコにしてあげるよ!」

と、自信たっぷりにいった。

その言葉に兄妹全員が満面の笑みでいう。

「ヤッターーーーーーーーーーー!!」

兄妹みんなうれしくて地を走りまわったり、転げたりした。

カービィが口の下を押さえていう。

「でもさ、世界樹の力を見つけ出す手立てはあるの?」

兄妹の動きがぴたりと止まった。

そしてヒノキがいう。

「それが何もないんだ・・・ただ父さんと母さんがその力を封印できるのはお前たちだけだっていわれて・・・」

カービィは新たな疑問を抱き、口にした。

「父さん?ヒノキたちの両親はどこにいるの?」

「・・・・・」

ヒノキはこっくりと黙ってしまった。

「実は僕らの父さんと母さんは二年前にあいつら・・・幻影軍に命を奪われたんだ」

と、かわりにヒイラギがいった。

「そうだったんだ・・・それにしてもあまりにもひどい奴らだな」

カービィは押さえきれない怒りがこみ上げてきた。

「こんどはその世界樹の力を使って世界を変えようとしてる、だから私たちが幻影軍より先に見つけて封印するの」

カエデがいった。

「あーーーっ!!そうだ!!」

いきなり叫んだのは次男ユズ-だった。

「ねぇ!スギおじいちゃんに聞けばなにかわかるかも!」

ユズは自分の考えを打ち明けた。

「そうか!あのじいさんなら何か知ってるかもな!」

ヒノキはようやく顔をあげていった。

カービィは誰?と思ったがカエデが説明したくれた。

「スギおじいちゃんは5百年生きている老樹の人なの、

たいていのことはなんでも知ってるらしいわよ」

「よーし!さっそく会いにいこう!」

ヒノキはだいぶはりきっている。

するとカエデがすぐさまいう。

「ちょっとまって!皆でいくのは危険すぎない?もし途中ではぐれたりしたら・・・」

カエデは末っ子のわりには考えがしっかりしていた。

「そうか・・・そうだな・・・」

ヒノキは落ち着いていった。

するとカービィが

「じゃあ僕がいく!」

と、手を上げた。

「ホントに?ありがとう!・・・・・それじゃカエデも連れて行ってくれないか?」

ヒノキはカエデを指名した。

「カエデは何気にすごいからね」

四男ツバキがいった。

「おっと!出かける前にこれをもっていって!冒険に必要なものとか食料とか入ってるから」

ユズはいつのまにか用意しておいたふろしきをカービィに手渡した。

「よし!じゃあいこうか」

カービィはふろしきを背負っていった。

「道は私にまかせておいて!」

末っ子カエデがいった。

「ホントにいいのか?なんか悪いなぁ」

ヒノキは申しわけなさそうにいった。

「大丈夫だよ!だって私がいるもん!」

カエデが自信満々でいった。

そしてカービィとカエデはスギのもとへと出発した。

「いってくるねーーー!!」

手を振る妹に兄たちは答えた。



続く