後始末請け負います
第一章


晴れ

空に向かって叫びたくなるような晴れである。

農夫は神に感謝し、主婦は真っ白なシーツを干す。


ソンナ晴れである。


そして、ソンナ炎天下の中、ひたすら歩き続ける旅人らしき人影が二つ

大きいのと、やや小さいの

「あ〜〜〜つ〜〜〜い〜〜〜」

「・・・・・・・・」

「死んじゃうよ〜〜〜〜」

「・・・・・・・・」

「のどかわいた〜〜〜」

「・・・(怒)」

ドグッッッッ

「・・・五月蝿い、静かにしていろ」

「〜〜〜〜〜グーで殴った〜ひどい〜」

やや小さいほうが涙目で抗議する

「騒いだところで現状が変わるわけでもあるまい、無駄に体力を使うだけだ」

「・・・・ぐすん」

大きいほうの勝ち

それにしてもこの二人、二時間前から同じことをすでに十三回繰り返している。

いい加減飽きないのだろうか・・・。


さて、大きいほうとやや小さいほうでは固体名称が長いので

彼らの自己紹介(他己紹介?)をしておこう。


大きいほうの名はメタナイト

長身蒼髪、眉目秀麗、頭脳明晰、生真面目、天然、自覚なし(おいおい)。

金色の珍しい瞳を持った若干十九歳の剣士である。


やや小さいほうの名はカービィ

ピンク色の髪、顔立ちは整っているが童顔(気にしてるらしい)、大食、ボケボケ。

空色の目をした十九歳の(外見中身ともに十四歳くらい)魔導士である。


何でこの二人が一緒に歩いているか、そもそもここは何処なのかという最もな疑問は

おいといて(動作付)

次の場面に行きましょう(引率?)


「『観光と慰安の町ソウラへようこそ!』??」

「前にあった旅人の話じゃここって『武器と武道の町』じゃなっかったっけ?」

「・・・かつがれたか。」

「うわっ最悪・・・」

あちこちで舞う観光旅行の旗と商売熱心な売り子に宿屋の呼び込み

そんな正面ゲートを前に立ち尽くしていた二人は次の瞬間

のまれた

「そこのかわいい坊ちゃん、お母さんのお土産にどうだい!高級鏡!!」

「お兄さんのかわいい子に買っていきな!!ええ色男!!」

「捨て値価格だよ!見てって損んは無い!!」

「わあ、かわいいわねあなた!そのキレイな髪に絶対に合うよ、どう?」

もみくちゃにされながらいろいろなものを押し付けられる

「え、あ、ちょ、待っ、て、あ、う、え、い、いらないよう!!」

「・・・・(汗)」←逃走

「あ!メタナイトお!おいてかないでえええ!!」

メタナイトは商店らしき建物の屋根の上に身軽に飛び乗り、

喧騒の中にいるカービィのほうをちらりと振り向いた

「・・・悪いがその中に入るのは二度とゴメンだ」

「はくじょおおおおものおおおお!!!!」


宿がほしいといったカービィの周りで宿屋の何処まで安くできるか的な競りが始まり、

ようやく泊まる場所を確保できたときには(タダ同然で)日が暮れていた

「薄情者、冷血漢、冷徹」

「・・・・・・」

「悪魔、鬼、人でなし、まぞくうううう!」

「最後の四つは私にとって悪口でも何でも無いのだが?」

「う・・・」

「凡人でもないのにあの状況から脱出できなかったのはおまえ自身のせいだ」

「うう・・・(脱出って(汗))でもお」

「そ・れ・にだ、最後にはきっちり助けてやっただろう」

「・・・フン!もうやけ食いしてやる〜!(泣)」

「言って置くが金は出さんぞ、残金はわずかなんだ」

「え?」

カービィは驚いて振り向いた

「お金、もう無いの?」

メタナイトはその言葉に苦々しげな表情をした

「この前立ち寄った町で仕事したじゃんか〜」

「ああ」

「なにやってんのさメタナイト、金銭管理きちっやってるの?」

「仕事の後、お前が食った飯代でその金はチャラになった」

「へ?」

カービィは見た、絵画の中の麗人のようなのに

獲物に襲い掛かる寸前のトラそっくりという、世にも珍しい(そして恐ろしい)微笑を

「それだけならまだ良かったんだが、貴様がそのとき割った皿の弁償もあってな」

「・・・え〜〜〜っと」

「苦労して手に入れた金はすべてなくなった」

「・・・・ごめんなさい、もうなにもいいません」

「わかればいい」

メタナイトはこんな状況でなければ女の子をまとめてゲットできそうな笑みを浮かべた

カービィもそれにぎこちないながらも勝るとも劣らぬ笑みを浮かべる、そして

「ところでさあ、メタナイト」

「・・・なんだ」

「おなかすいちゃった、えへ」

「・・・」

「・・・(にっ、にこ)」

「・・・貴様というやつは」

微苦笑したメタナイトに脈あり!!と思ったカービィは

「だっ、だめかな×100くらい(当社比)

メタナイトは微笑んだまま・・・・・・剣を抜いた

「死ねええええええ!!!!」

「ぎぃやぁぁぁぁぁ!!やっぱりぃぃぃ!!!!!」

長く尾を引いて響くカービィの悲鳴を追うように

夜空に破壊音がとどろく


つづく(かも)