〜英雄伝説 カービィ〜
英雄伝説20巻の第二章がひらかれた。
「リック〜〜〜!!」
第二章 友の条件
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カービィは走りながら叫んでいる。友の名を呼んでいる。
「…リックさん…生きてなかったらどうするんっスか…」
「…!ワドぉ…」
カービィはキッとワドルディを睨みつけた。
「す、すいませんっス〜!!」
カービィはワドルディを無視して、リックの家へと向かった。
* * * *
「リッ……!!」
「か、カービィさんっ!?」
「…よかった〜…星が落ちたのリックの家の向かいの家だった〜(―u―)」
ワドルディ、こける。
「か、カービィさん!!よくないです!」
しかし、何しろ向かい側なので…リックの家に被害が無いとは言いきれません。
「そ、そうだねっ!リック〜〜!!」
「か、カービィ!?ココだ!ココ!!」
なにやら半分崩れた家の後ろから、リックの声が聞こえました。
「リック?!」
カービィは家の後ろへ…
「リックぅっ!!」
「よ、よぉ。カービィ…お前…げ、元気だな。」
「元気に決まってるじゃないか〜!もう〜!リック死んじゃったのかと思った〜〜!!」
「……。」
リックはすこし沈黙した。
「リックさん!怪我は無いですか!!?」
「…残念ながら、無傷というわけにはいかないなぁ。」
リックは苦笑いした。なんと!胸らへんがすごい出血だ。
「な!!ほうっておいたら、死んじゃうじゃないっスか!…それに何故…オイラ達、今まで築かなかったんだろう…。こんな大きい傷…」
ワドルディはすこし冷や汗を流すが、すぐにハッとした。
「えっえっ!!?リック!死んじゃうのぉ!!?」
カービィは少し目に涙をためる。
「……大丈夫さ…。」
リックは微笑んだ。すこし無理をしていそうだが。
「ホントに!?でも、お医者さんを!速く行こう!!」
「…か、カービィさん…医者…星でつぶれちゃいました…」
ワドルディは「残念だけど」というように…下を向く。
「や…やだやだっ!!やだよう!助ける方法は無いの!?!リック、このまま死んじゃうの!?やだよ!ねえ!方法は無いの!?何で
もするから!」
「…一つだけ…あるっスけど…でも…危ない方法っスよ…」
そのこぼした言葉を言ったワドルディにカービィは振り向く。
「何!?何!教えてワド!!」
「…魔の森。または迷い森と呼ばれるあの森の奥の…ヒーリング草を取ってくれば何とかなると思いますが…あの森は危険です。帰っ
てこられない保障も十分あります。」
「…行くよ!行く!ボク行くよ!」
「か、カービィっ!馬鹿!オレのためにそこまでしなくてもいいっ!!」
「馬鹿はリックでしょー!!!ボク…ボクは…リックに死んでほしくないもの…!」
――リックを生かしたいから。
「…カービィさん!オイラも行くっス!」
「「ワドっ…!!」」
「……カービィっ!」
リックはカービィの名を呼ぶ…。
「…リック、これはね。ボクの意思だから。リックを助けたいと思うのも…森に向かいたいと思うのも…全部ボクの意思なんだ。だから――」
カービィはにっこりと微笑んだ。
「リックが責任を感じることは無いんだ。」
「…ちぇっ。わかったよ。カービィでもな。条件がある。」
「へ?なぁに…?」
「絶対…に帰って来いよ。」
「うん!行こう!ワド!」
「!あ!カービィさん!まってくださいっス〜!!」
そして二人は掛けていった。
でもまだこれは…長旅の…ほんの一部だった。
英雄伝説カービィ 第二章より
続く