星野さん 銀河に願いを編
第4章 奇襲その1

第3話へ


風をきり、雲を突き抜け、カービィ達が乗ったワープスターは

ポップスターの大気圏を突破し、宇宙へと飛び出した。

「・・・・・死ぬかと思った・・」

デデデ大王がゼエゼエと息をしながらそういった。

ワープスターは安全だったが、どうやらデデデ大王を未だに敵とみなしているらしく、

デデデ大王にだけは移動する時、自分のスピードについて来れるように乗者の周りに放つ

特殊な光の量を削減していたのだ。

結果、デデデ大王は史上最高のスリルのジェットコースターに乗っているような気分で

ここまで来たのだ。

「カービィ!!もうちょっと増なものに乗せろ!!」

ようやく落ち着いてきたデデデ大王はカービィにそう言った。

「まぁまぁ、ワープスターのちょっとした悪戯だから許してやってよ。

カービィは軽い口調で大王に言った。どうやら自分が悪いとは思ってないらしい。

(まぁ、それもそうなのだが。)

「そのちょっとした悪戯で俺は殺されかけたのかよ・・・」

デデデは不意にみじめな気持ちになってきた。

その時、それを静視していたジョーが不意に気配を感じた。

それを見て、どうしたんですか?と問いかけるワドルドゥを気にも留めず

それを、その気配を読み取った。

ぞくッとするような殺気。ジョーはその方向を向きーーーー

そして見た。ほぼ10メートル程先、黄色い光を放った月ーーーMr.シャインが

自分達めがけて飛んでくるのを。

「危ない!カービィ!ワープスターを移動させろ!!」

ジョーがそう叫び、カービィは一瞬驚いたがワープスターを前進させた。

まさに間一髪。ワープスターが今滞在していた軌道にMr.シャインが

突っ込んできた。

きっと、並みの者ではそれをかわすことは不可能に近かっただろう。

それほど速く、静かに、シャインは体当たりしてきたのだ。

格闘家であるジョーの敏感な神経と動態視力。そしてカービィの操縦テクニックが

あったからこそ、それはかわすことができた。

カービィはワープスターをターンさせながら、そのシャインの顔を直に見た。

いつもの爽やかな顔はそこにはなかった。

血走った残酷な目、アピールするかのように歯をむき出しにしていた。

そう、今そこにあるのは悪魔の顔だった。

・・・・・シャイン!!

そのときーーー今度はカービィにも感じた。何者かが近寄ってくる。

それはそうだった。なにしろ凄まじい熱気が伝わって来たのだから。

Mr.ブライトが、ワープスターめがけて突っ込んできた・・・・