銀河に・・・お願い・・・
***星のパワーと暇な戦い***


・・・・・・・イト・・・・メタナ・・・タナイト・・・・・



微かに誰かの声が聞こえる・・・ここは・・・どこだ?

私は・・・確か、精神を保てなくなって暴れ・・・ファイターをコピーしたカービィにやられ・・・

・・・今、気絶してどのぐらい経ったのだろう・・・



・・・・・・・・メタナイ・・・・トっ!!!



・・・そうだ、カービィはっ!?



―――ガバッ



・・・メタナイトは起き上がった。

いきなりの事だった為、カービィは口を開けて驚いている。

メタナイトは、周りを見渡してカービィを見付けると、いきなり立ち上がった。

そして鞘に手を掛けたが、剣が無い。


―――あっ!?ないっ!!?―――


メタナイトは慌てて自分の周りを見渡したが、剣はどこにも無い。

その横で、ほっと息をついている球体が約一名。


―――よ、よかったあぁぁ〜・・・・メタちゃんが気絶している間に剣取っといて・・・―――


カービィは、後ろ手に隠し持っていた剣をチラッと見ます。

そしてメタナイトの方を見ると、彼はもう剣を探すのを諦め、戦意を無くしているようでした。

カービィは、メタナイトが心を落ち着かせたのを確認すると、

後ろ手に持っていた剣を差し出します。


「メタナイト、これ・・・」


差し出された剣を見て、メタナイトは驚きました(表情は分からない)が、

無理やり取るようなこともなく、静かにそれを受け取ると一言


「・・・すまない・・・」


とだけ言った。

カービィはちょっとホッとした。しかし、まださっきの恐怖心は消えていない。


「・・・メタナイト、剣隠してた事・・・怒ったりしない?」


と、おそるおそる聞いてみる。

メタナイトはちょっとだけ間を置き、言う。


「・・・別に良い。最初に襲った私が悪いのだしな」

「・・・・じゃあ、元のメタナイトに戻ったんだね♪」

「ああ。さっきは少々・・・精神疲労でな」


と、メタナイトは苦笑した。

カービィの顔に、みるみると明るい笑顔が戻っていった。


「よかった〜♪じゃあ、もうメタちゃんって言っても怒らないよね。ねぇ、メタちゃん♪♪」


しっか〜し!

・・・それを気にしないような彼じゃない。

「おっと、なんだかまた暴れそうな気がしてきた。(眼光」

「あうっ!!・・・わかったよぉ〜、メタナイト」

脅しをもらい、しょげるカービィ。

メタナイトはそんなカービィを面白そうに見ながら、入り口へ向かいました。

「・・・さあ、行くぞ。時は止まってはくれないんだからな」

「うんっ!!」

二人は外へ出ました。

そして、敵を倒したり、凍った滝を砕いて道を作ったりしながら進んで行きます。

「この星々でのコピーの仕方も分かったし、これで万事OKってとこかな〜♪」

カービィは気楽なものです。

しかし、メタナイトはそんなカービィを見ながら、仮面の下で苦い表情をした。

「んん・・・だが、しかし・・・」

―――“泉の番人”は、そう簡単には通してくれまい・・・・―――

メタナイトの思考は、カービィの元気な呼び声に掻き消された。

・・・それからも二人は、道に迷いながらも、結構問題無く進んで行きました・・・


―――そして、約十分後。


「スピンキック!!」

気合のこもった声と、力強い光の風が突き抜ける。

・・・カービィはここら辺で最後の敵を倒しました。

「ようしっ!ここら辺の敵は全部倒したぞっ!!」

「・・・ん?・・・カービィ、何かの入り口があるぞ」

「え?」

カービィはメタナイトのさした方向を見た。

二人の目の前には、妙に光り輝いているドア(入り口)が一つ。


「・・・道はここで行き止まりだ」

「じゃあ、ひょっとしたらゴールなのかもね♪」


とりあえず二人は、その中へ入っていきました。

そして入った時、二人とも一瞬動きが止まった。

目の前に見えたものに、メタナイトは仮面の下で思わず微笑んだ。

「・・・正解だな」

そこは今までの平原と異なった緑。木々の葉っぱがいっぱいです。

そして木の葉の隙間から見えたのは・・・虹色に輝く泉・・・間違い無く、夢の泉。

カービィはとびあがって喜んだ。

「やった〜♪着いたぞー!」

カービィは、泉の見える方向へ走っていきました。

しかし。

「う、うわあぁぁぁ〜!?」

カービィが消えた!・・・じゃなく、下へ落ちた!

「カービィっ!!」

メタナイトも慌てて後を追いかけます。二人ともそのまま木の葉を掻い潜り、下へ、下へ。

・・・気が付くと、そこは木の根元の近く。木には顔があり、それには見覚えが・・・

「う、ウィスピー!?」

それは、偉大なる林檎の木・・・

森の王、ウィスピーウッズ。

彼はこちらを見下ろし、顔を歪めます。

「何の用だ。ここは聖域、軽く入って良い所ではないのだぞ」 それにはメタナイトが答えます。

「私達は星のエネルギーを集めている。その為にどうしてもあそこへ行かないといけないのだ」

「なぜ星のエネルギーを集める?」

これにはカービィが答えました。

「今、ポップスターが大変な事になっちゃってるんだ!

だから、大彗星ノヴァを呼んで願いを叶えてもらおうと・・・」

「ノヴァ?」

ウィスピーは少し驚いた顔をした。

そして少しの間考え込むと、決心して言いました。

「よし、いいだろう。通してやる」

「!?」

「やった〜♪」

「ただし。お前達の力を試してからだ。俺と戦え」

ウィスピーの申し出に、カービィはがっかりした。

「ええ〜、そんな〜・・・」

「あ、それと、この下にもあと二人いる、行って良いのはその二人も倒してからだ」

「三人がかり!?ずるいよぉ・・・こっちは二人なのに〜」

カービィは嫌そうな顔をしましたが、メタナイトは仮面の下で微笑むと

「いいだろう。その挑戦、受けて立とう」

と、申し出を受け入れる。

カービィは吃驚した。

「ええっ!?メタナイト、なんで聞き入れちゃうんだよ〜。だいたい3対2なんて・・・」

その文句を聞いて、メタナイトは溜息を吐く。

そして半場呆れたような口調で言った。

「あのな・・・お前、自分の強さ、忘れたのか?」

「あ・・・」

しばしの沈黙。

瞬時に、カービィの顔に自信満々の表情が浮かぶ。

「そうだったね!それじゃあ・・・」

カービィはメタナイトに目配せした。

そして二人、自信を持った表情で頷きあった。

「思いっきり、暴れるぞ!」

「おうっ!!」


―――そして数秒後。


「意外と弱かったね〜♪」

「まさかこんなに弱いとは・・・(汗」

「弱い、弱いって言うな〜。(泣」

秒殺ですか。

ウィスピーウッズはボロボロ、それに対し、カービィ達は無傷。

勝敗は一目で分かった。

「・・・それじゃあ、通してくれるんだよね♪」

ウィスピーウッズは、諦めの溜息を吐いた。

「分かった・・・お前らの強さを認める。入って良いぞ」

「やった〜♪」

とりあえず、聖域に入れた二人。

その夢の泉の周りは緑の木々が囲んでいて、外からは見え難いようになっていた。

「なるほど、こうやって泉を守っているわけか・・・」

「ねぇねぇ、星のエネルギーって、泉の手前に浮かんでいる星がそうなのかな?」

カービィは泉の手前あたりの空中をさした。

メタナイトが見ると、確かに、泉の手前に星の欠片のような物が浮いていた。

「・・・きっとそうだろう」

「じゃあ、僕取ってくるね♪」

・・・カービィはホバリングでその星の破片を取りました。

すると変身が解け、カービィは元のノーマル状態に戻り、

手の中のそれは、一度空高く上がって行き、泉のスターロッドらしきものの中に入りました。

その瞬間、スターロッドから光の柱のようなものが天へ伸びていきました。

「うわぁ・・・」

光の柱は、空へ溶けるように伸びていき、その光の柱が消えた途端、

空に一本の掛け橋みたいなものができました。

二人は呆然とそれを見上げ、少し時を置いてからメタナイトが言いました。

「・・・さあ、行くぞ。私達はまだまだ星のエネルギーを集めないといけないのだからな」

その声に、やっとカービィが気がつきました。

「あっ、うん!」

そして二人は、掛け橋から眼をそらし、同時に同じ方向を見上げました。

「ワープスター!」

「スターシップ!」

ほとんど同じタイミングで、二人はそれぞれの乗り物を呼んだ。

呼んで間もなく、二つの流れ星のようなものが二人の見上げる空からやってきました。

それがやがて着陸すると、二人はそれに乗りこみました。

「目指すはアクアリス!」

「さあ、行こう!」

カービィを乗せたワープスター、メタナイトを乗せるスターシップ。

その二つは流れ星になって空へと飛び立った。

二つの流れ星は掛け橋を渡り、次の星へと進んで行きます。

その光を、三本のウィスピーは祈るように見つめていました。

最初に出会ったウィスピーが、見つめながら呟きました。

「・・・後は頼む」

・・・やがて二つの流れ星は、空の彼方へと消えていきました。


―――そのころ・・・


「ところで、アクアリスってどんな星?」

「全てが水でできている・・・と言ってもいいほど水の多い惑星だ」

「わ〜い♪じゃあ、あっちに着いたら泳げるんだ〜♪」

「楽しそうだな・・・」

「あれ?メタナイトは楽しみじゃないの?」

「なにしろ、身に付けている物が多いんでな・・・マントは水を吸うし」

「じゃあ、全部外せば?」

「ダメだ!」

「ダメなの?(汗)・・・じゃあ、頑張ってよ、メタちゃん♪」

―――今度言ったら、本当に斬ってやろうか・・・―――


・・・という、まあ暢気な会話が続いていた。


―――残る星、あと六つ





続く