銀河に・・・お願い・・・
***ミズアの力***


「・・・・案内者・・・・?」



聞いたことが無い。 いや、言葉自体はどこかで聞くような言葉だけど、星の戦士を導く者というのは、全く知らない。

この目の前のスクイッシー・・・ミズアの言う事は、本当に真実なのだろうか?

しかし、どう見てもミズアは悪者に見えない・・・いや、むしろ、本当に・・・



「・・・ところで、このここに倒れている方ですが・・・どうしましょう?」



ああ、そうだ。

未だに動かないメタナイト・・・そういえばうっかりしていた。



「どうしようって・・・・どうしよう・・・?」

「・・・彼の場合は単なる力の使いすぎですから、起こそうと思えば起こせないことも・・・」



ミズアの言葉は、こちらに協力する姿勢に聞こえる。やっぱり味方なのか・・・?

じぃ〜っと観察する僕の視線に気が付いたのか、ミズアが振り向いた。



「・・・何ですか?」

「・・・・君、さっき自分の事『案内者』っていったよね・・・?」



ミズアはキョトンとした。



「え?ええ・・・」

「・・・あのさー、その『案内者』って、他の星にもいるの?」



さらにミズアは不思議そうな顔をする。

・・・そんな顔されたって、困るのはこっちなんだけど・・・



「あれ?・・・フロリアの案内者からは何か聞きませんでしたか?」

「っていうか、会ってないし」

「ええ〜?おかしいなぁ・・・・」



おかしいなぁ・・・って言われても、困るのは基本的にこっちである。

フロリアでの出来事を思い出してみても、案内者らしい人物に出会った覚えは無い。

覚えているのは、メタナイトが僕に襲いかかってきて・・・



「・・・・・・・・・・あぁっ!!!」



・・・そういえば、メタナイト、フロリアで無茶苦茶暴走してたっけ・・・・

・・・・・・まさか・・・・・まさか、そこの案内者ってその暴走に巻き込まれたんじゃ・・・



―――案の定、フロリアでは・・・―――



ガラッ



「け、ケホッ、ケホッ・・・・な、何だったんだ?さっきの竜巻は・・・」

・・・暴走に巻き込まれた案内者が、瓦礫の山に埋もれていた・・・

どうやら、暴走していたメタナイトの姿は、周りから見ると竜巻か何かに見えていたらしい。

・・・・暴走メタ、恐ろしや。(笑

「・・・・・・・・・・(汗」

「どうしました?」

「う、ううん!なんでもないよ・・・」

これはもう、無かった事として通すしかない。

あの状況が状況なだけに、決して無事ではないだろうが・・・もう過ぎてしまった事だし。

「・・・しょうがない。じゃあ私から簡単に説明します。

 私達案内者は、このポップスター星系の七つの星にそれぞれ散らばって住みついています。

 仕事は、“時”がきた時に聖域へ星の戦士を導くこと。」

今度は、僕がキョトンとする番だった。

「・・・それだけ?」

「はい、それだけです」

「・・・それって何か意味があるの?」

「はい。・・・例えば、大変な用事で急いでいる時は、道に迷ってなんかいられないでしょう?」

「あ、そっか・・・」

確かに、今回の冒険もはっきり言って時間がない。

Mr.シャインとMr.ブライドの喧嘩も永遠に続くわけじゃない。

いつかは二人とも疲れて喧嘩を止めるだろう。が、今回ばかりは熱が冷めそうにない。

最悪の場合、昼と夜がなくなって・・・二人は・・・

「ああっ!僕達も急いでいるんだ、急がないと!」

と、その時。

「そう・・・だな・・・・急がねば、ポップスターが・・・」

「「あっ!!」」

「め、メタナイトっ!!」

「起きましたか!!」

「うっ・・・」

メタナイトは、少し辛そうに起きあがる。まだ少しふらついている。

起きたは起きたけど、この調子じゃ戦闘は・・・。

「戦闘は無理そうですねぇ・・・カービィさん、背負っていけますか?」

「えっ?」

「いや、大丈夫だ・・・」

と、言いつつふらつくメタナイト。

「どこが大丈夫なんですか。カービィさん、お願いします」

「こ、こういうのは君の役目じゃ・・・」

「私の仕事は案内者。人を背負う役目じゃありません」

「へ、屁理屈だよ〜!!そんなの!」

・・・・・と言いつつ、数秒後には背負っている自分って一体・・・・

メタナイトは、僕の背中に乗った瞬間に眠ってしまった。そんなに疲れてたのかなぁ・・・

とりあえず、水の中を進んで行くミズアを追いかけて泳いで行く。

水の中なら浮力があるから重さは減るけど、やっぱり泳ぎ辛い・・・

「ぷはあっ!」

「彼、溺れてないですよねぇ?」

「あ」

すっかり忘れていた・・・けど、メタナイトは別に大丈夫のようだ。

念の為無事を確認して、僕はミズアの方を向き直った・・・

・・・・?・・・ミズアの前方に何かいる・・・・・・・・

「・・・・っ!!ミズアっ、前っ!!!」

突然、前から数匹の敵が襲ってきた。不意打ちで、避けきれない!

ミズアは姿こそ普通の敵キャラだが、今は僕達の味方だから奴らから見れば敵になる・・・

このままでは、襲われるっ!!

「危ないっ!!!」

――それは、僕が叫んだのと同時に起こった。

「プラズマ波動弾っっ!!!」

・・・一瞬、何が起こったのか分からなかった。

ただ、その時分かったのは、跡形も無く消滅した敵・・・そして、二本の腕を構えているミズア。

ミズアは、その姿勢を解くとこちらを振り向いてニッコリと笑った。

「私は一応、案内者ですからね。普通でないのは当たり前なんです。」

・・・・その時やっと僕は、あれはミズアがやったものだと・・・気付いたのだった・・・





続く。


あとがき:ふへ〜。(何
     やっと続きが書けましたぁ・・・話、全然進んでませんね。(笑
     前回はちょっとヘボかったけど、今回は大丈夫!・・・のハズ。(ぇえ