レジェンド ツリー
第二章〜戦いの時の幕開け〜


「はぁ〜・・・どこまでつづくんだろ」

カービィは呼び声の主に会うために、こけむした薄暗い木のトンネルを歩いていた。

しばらくしてから一筋の光が見えた。

「おっ!出口かな?」

そういうとカービィは駆け足で、出口へと向かった。

トンネルを抜けると、そこには広い野原がひろがっていた。

周りの景色からして、ここは小高い丘のようだ。

「どこだろう・・・ここ・・・まったく見たことない風景だ」

カービィがそう言ったとたん、いきなり銃声が聞こえた。

ドウン!ドウン!ドウン!

銃声のようだがまるで花火でも打ち上げたかのような音だ。

「なんだ?なんだ?」

カービィは辺りをキョロキョロみまわしたが何も見えない。

「そうだ!木にのぼればよく見渡せるかも!」

カービィにしてはすばやい判断で、さっき出てきた大きな木に登り始めた。

一本の太い枝と幹の間に足を構えて周りを見渡した。

山と山に囲まれて、小さな家らしきものがある。そこにはうじゃうじゃと人の姿がたくさんあった。

「もしかしてあそこに助けを求めてる人がいるのかな?」

そういうとカービィはすぐさま木から下りて、いきおいよく丘を下り始めた。


小さな家の前では4人の男の子と、軍隊のような格好をした者が20人くらいがお互いににらみ合っていた。

「さぁ・・・早く世界樹の力の引き出し方を教えろ!」

軍隊の先頭に立っている長剣を持った男が言った。

「だからそんなもの知らねぇって言ってるだろ!」

男の子の一人が言った。

この男の子は青いスカーフを巻いている。

そして男の子たちは全員短剣を構えている。

「そうだそうだ!たとえ知っててもお前等なんかに誰が教えるか!」

さっきとは違った男の子が言った。

彼は黄色のバンダナを巻いている。

「やれやれ・・・聞き分けのない餓鬼どもだな・・・教えてくれれば命は助けてやるんだぞ?」

と、軍隊の先頭が言った。

「知らないっつーに!だいたいお前なんかに負けねえぞ!」

と青いスカーフの男の子が言った。

「ほぅ・・・いい度胸だな・・・そこまで言うなら叩き潰してやろう」

長剣を持った軍隊が構えた。

「後悔するなよ!」

軍隊はそう言ってすばやく男の子に近づき、長剣を振りかざし、少年めがけて切りつけた。

少年はなんとか短剣を交えて攻撃を防いだが、家の壁に叩きつけられた。

「いってぇ・・・」

軍隊は、痛さでうごめいている少年に近づき、再び剣を振りかざした。

「さらばだ・・・」

ドカァッ!!

剣をふりかざした軍隊に、強烈なケリが入った。

「ぐっ!何者だ!?」

軍隊を蹴り飛ばした正体はカービィだ。

「よく分かんないけど、お前等悪いやつらだな!」

カービィはするどい目つきで軍隊をにらみ付けた。

カービィはくるりと少年のほうを向き、

「ちょっとコレ借りるよ」

と、おもむろに少年の青いスカーフを手に取り、自分の頭に巻きつけた。

コピー技・・・スロウ!!

「くそっ!やっちまえ!」

ケリをくらった軍隊がそういうと、軍隊全員がまとめてカービィに襲い掛かってきた。

剣で斬りつけてきたが、カービィはさっとよけて、隊員を持ち上げた。

「わわっ!なにをする気だ!?」

隊員は驚いて尋ねた。

カービィはクスッ、と笑うと「こうするの」と言った。

カービィはまとめて襲い掛かってきた軍隊めがけて投げ飛ばした。

「うがっ!ぎゃあ!ぐえっ!」

軍隊はまとめて吹き飛ばされた。

「ちくしょ〜!覚えてやがれ!」

そして軍隊はすごすごと退散した。

「ふ〜っ、一丁あがりっと!」

カービィは深く息をはいた。

あぜんとする少年たちにカービィは、

「助けを呼んだのは君たちなの?」

と訪ね、少年たちはうなずいた。

「まさか本当に来てくれるとは思わなかった・・・ありがとう」

と、青いスカーフを巻いていた少年が言った。

「いいって!いいって!はい、スカーフ」

カービィはそういうと少年にスカーフを手渡した。

そして少年は、

「星の勇者カービィ!あなたにお願いがあります!僕たちを助けてください!」

と言った。

すると他の少年たちが

「お願いします!」

と言った。

カービィは一瞬たじたじしたが、こう言う。

「いや・・・うん・・・僕はそのためにきたんだけど・・・何を助ければいいの?」

青いスカーフを巻いた少年が言う。

「それは・・・・・・・・」


カービィたちの遠くで、木の陰からケヤキが見ていた。

「やっぱり・・・!あの人の力さえあれば・・・!」

ケヤキはそういうと、カービィたちのほうへと駆け寄った。



続く